連続型【流動層乾燥機】
装置の詳細説明
連続型流動層乾燥装置
回分型流動層乾燥機を連続型にしたものが 「箱型連続流動層乾燥機」です。
流動層は、粉体層が「いわゆる液状化」されていますので、下部に数mmのギャップを設けた「仕切り版」で区切っても、第1室の粉体層の粉体面が、原料の供給によって上昇すると、「粉体圧力」が上昇し、仕切り板の下側ギャップを通過して、粉が第2室へと移動します。
したがって、原料を投入しなければ、粉体の移動は起こらず「バッチ運転」と全く同じことになります。 言い換えれば「投入された粉体が、対流している粉体を押し出して排出口まで移動させる」という「「押し出し流れ」:ピストンフロー(プラグフローとも呼びます)を実現していることになります。これは、粉体層を構成している「個々の粒子」にとって、極めて大事な概念で、装置内の滞留時間が、「先入れ・先出し」という、確率的に同じ時間、装置内に滞留していることを示す指標になります。同じ時間滞留して、同じ熱量を受け取り同じ時間、物質移動を行うということで、乾燥製品出口の水分について「一つ一つの粒子が、同じ乾燥度」に、仕上がっていることを意味しています。
原料投入テーブルフィーダー ☞
これが「先入れ・先出し」とは言えない「ファンネルフロー状態」や「ショートパスフロー状態」が発現すると、排出製品雄乾燥度が一定とは言えなくなります。
化学工学の「反応理論」で、「完全混合槽列モデル」の計算式を使って、チャンバーが、いくつあるべきかを計算した結果で、実機は成り立っています。
大切なことは、第一室は、水分が多い湿潤粉体が、大きな割合を占めています。
したがって「粒子密度とガス密度の差」は、第一室のほうが排出間際の第3室より、大きいはずです。
このことは、第1室のガス吹き上げ速度を、他の部屋より、早くしなければならないことを意味しています。
実機では、それぞれの部屋下部の熱風室にダンパーが設けられ、吹き上げ速度を調節できるようになっています。
「バブルを発生させる程度の活発な流動層状態」が、「完全混合状態」を保ちます。
☜ 流動層乾燥機内部
原料には、当然「粒度分布」が存在し、必ずしも揃った粒子径だけではありません。しかし、流動層乾燥装置のケースは、本来、乾燥室の下部にたまるくらいの大きな粒子も「完全混合状態」では、微粒子に攪拌されて大きめの粒子も動き、乾燥は並行して進みます。良好なガス吹き上げ速度に幅があるため「運転員はシビアーな運転管理に神経をとがらさずに済み」ます。
微粒子が排気に同伴されて、サイクロンまで飛散しても、サイクロン理論をしっかり応用した設計であれば、粒子径10μ程度までは捕集できるので、ほとんどの飛散原料も捕集されて、再度、流動層の最終室に戻されることができます。
スケルトンモデルでは、すべての向きから、吹き上げ熱風によって形成された「流動層」「移送層」、「バブルの上昇と破裂」、「フリーボード内の粒子の舞い上がり」、「サイクロン内部での粒子の旋回運動」が、観察されます。