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気流乾燥装置+フィードバックシステム
装置の詳細説明
乾燥方式には、①、熱風と被乾燥湿潤粉体を、直接接触させて熱移動を行う「直接加熱乾燥方法」と、②、熱媒を封じ込めて隔壁を通して、間接的に熱移動を行う「間接加熱乾燥方法」があります。
気流乾燥装置は、熱風の中に湿潤粉体を流し込んで気流に乗せ、その搬送中に熱移動を行い、粉粒体の乾燥を行うものです。十分な空気が環境に存在するので、粉粒体表面から蒸発が継続している間は、「粉体の表面温度は、その環境の湿球温度になり」、通常の水の沸点【100度c】より、はるかに低い温度で蒸発現象が行われます。
例えば夏場の100度Cの熱風空気でも、原料からの表面蒸発が続けば、68度Cあたりで乾燥が進行するために、付着やデッドスペースの排除がうまくいけば、熱に弱い原料でも、おおむね、大きな熱影響を受けずに乾燥することができます。(ただし付着や、異常な滞留が全くないという前提は、あまり好ましくありません)
問題は、しっかり気流中で個々の粉体が分散し、熱風にさらされる現象が維持できるか、どうかです。一般的に、ある湿分値(ここでは水分とします)を超えると、粉体は凝集しやすくなり、塊になって、熱風にさらされることが困難となります。その場合、塊の内側は高水分のまま搬送が終了し、サイクロンまで到達してしまいます。このことは製品の品質が「不合格」であること意味します。
管長が25mで、空気速度が25[m/s]の場合、粉体の滞留時間は、1秒と+アルファ(加速されている時間は空気と同じ速度ではありません)で、あっという間に乾燥は終了してしまいます。
そこで、原料と熱風を十分に「混合・分散」させるために 「ケージミル」という「籠状のローターと、固定盤」で、湿潤原料を解砕/分散させ、一次粒子までほぐし、気流に乗せます。粉体が熱風に加速されている間が、最も乾燥が進みます。 粉の周りは、常に、湿度の低い新しい熱風が通り過ぎてゆくので、「瞬間乾燥機」ともいわれる通り、あっという間に乾燥は終了します。
ところが、このケージミル(あるいはその他の解砕機)は、湿潤原料を直接打撃するために、内部から水分が表面に出てきて、機器や函体に付着が発生します。付着が発現すると、前述のように、粉体は乾燥した後も熱風にさらされるため、「温度が上がり変質する」、「過乾燥になる」等の弊害が出ます。さらに問題は、付着のため管内が狭くなり「閉塞」現象が発現し、乾燥が継続できない「非常事態」につながります。
そこで、この「気流乾燥装置+フィードバックシステム、スケルトンモデル」では、乾燥機メーカが常套手段として行う 「乾燥粉の一部」を原料投入側に戻し、「原料と混合して、見かけの水分値を下げる」フロー:フィードバックシステムにしています。
例えば[50%wb]の湿潤原料100kgに、[10%wb]の乾燥粉を50kg戻すと、(50+5)/(100+50)で、入り口原料は、[36.6%wb]の湿潤値となります。
この湿分値で、函体、解砕機ローターへの付着が発現しなければ、作業員は安心して運転を継続することができます。(必要であればフィードバック量を調整します)
このスケルトンモデルは、この原理をわかりやすく、示しています。
サイクロンから落下して、ロータリーバルブから排出される実際の粉は、リターンスクリューの回転数を制御し、量を決めてフィードバックさせて、ダブルスクリューミキサーで原料と混合し、(ここで乾燥粉体が、先に混合器に入ることをよく見てください、装置内壁への付着を防止するためです)、見かけの湿分値を下げて、ケージミルへと落とし、熱風と混合分散させることになります。熱風と混合分散した原料は、気流乾燥機で1~2秒間、乾燥管内を搬送されて、サイクロンで捕集され、排気は上昇し、乾燥粉は分離しロータリーバルブへ落下します。
付着限界の水分値は、通常実験で求められますが、各乾燥機メーカーは独自のデーターを持っているので、その探索は、比較的短時間で実験でき、原料中の水分が多少変動しても対応できるように設計されます。
システム内循環粉体量は増加するものの、連続運転としては「同じ蒸発水量」と、「同じ乾燥品排出量」を、当該システムの最高の「熱移動容量係数」値で実現できるので、装置は最小の容量で、安心して設計することができます。
循環してはいけない一部の医薬品や、食品材料には使えませんが、それ以外のほとんどの原料に対して、この方法は極めて有効な手法ですので、知っておいて間違いはありません。
化学工学分野では常識でも、例えば健康食品分野では非常識であることがあります。
ある業界の常識は、他の業界の非常識であり、その逆も成り立ちます。
粉体処理技術を俯瞰する姿勢が大事です。
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